毛利家に伝わる日本刀一覧!毛利元就の愛刀、毛利藤四郎、明治維新で天皇より拝領した刀など

毛利家に伝わる刀についてまとめました。

現在も毛利家所蔵の刀

まずは現在も毛利家(毛利博物館)に所蔵されている刀です。

国宝 菊造腰刀(伝当麻)

鎌倉時代末期の当麻派の作と伝わる短刀。無銘。
拵も国宝となっています。

重要文化財 太刀(伝友成)

銘は備前国□□と作者名部分が摩滅していますが、備前刀の特徴が色濃く友成作とされます。
鎬に太刀を受けた傷があるため、実戦で用いられたと思われます。

太刀 定秀

長州藩初代藩主・毛利秀就が、後水尾天皇より拝領した刀
毛利家において御重代太刀と呼ばれて大切にされてきた太刀で、銘は豊前国□定秀とあり、鎌倉時代初期の豊後国刀工・定秀の作です。
梨地菊桐文蒔絵糸巻太刀拵とともに、山口県指定文化財。

刀 無銘(伝三原)

毛利元就の愛刀とされる打刀。
板目に細直刃、小乱がまじる豊後国三原派の作風がみられます。
黒漆打刀拵とともに、山口県指定文化財。

刀 長船国光

戦国大名尼子氏の家臣・山中鹿介所用の刀。
銘は備前州長船兵衛尉藤原国光作之、裏銘は天文八年二月吉日。

刀 長船清光

天文24(1555)年の厳島合戦の直前に、毛利元就が播磨国龍野城主・赤松政秀に作らせたものです。

薙刀 源正真

江戸前期の刀匠・源正真による薙刀。
銘は武蔵住源正真、裏銘は貞享四年二月日。

薙刀 二王清忠

江戸時代の萩の刀工・二王清忠による作。
藩主が在国の時、寝所に掛けていた薙刀と伝わっています。

明治維新の功績により朝廷から拝領した刀

毛利家といえば、幕末維新。
有能な部下を取り立てる能力に長け、「そうせい候」と言われた藩主・毛利敬親のもと、多くの志士たちが活躍し、維新が成りました。

これらの功績を称えられて、天皇(朝廷)よりいただいた刀をまとめました。
すべて、現在も毛利家所蔵です。

太刀 波平安周

銘は波平安周、波平派は平安から明治初期まで薩摩で作刀した刀工集団です。
幕末の文久3年、長州藩主毛利敬親が、尊王攘夷のために奔走した功により、孝明天皇より拝領した太刀です。

刀 津田助広

文久3年、長州藩主世子・毛利元徳が、尊王攘夷のために奔走した功により、孝明天皇から拝領した太刀。
銘は津田越前守助広、裏銘は延宝八年二月日。

刀 藤原兼信

慶応4年、明治維新の功績により、朝廷から与えられた太刀。
銘は陸奥守藤原兼信。

かつて毛利家にあった刀

かつては毛利家にありましたが、現在は毛利家を離れている名刀をいくつか挙げます。

毛利藤四郎

毛利輝元の愛刀で、短刀の名手・粟田口吉光の短刀です。
のち徳川家康に献上され、池田家、明治天皇を経て現在は東京国立博物館が所蔵しています。

一期一振吉光

粟田口派、吉光唯一の太刀として有名な一期一振。
豊臣秀吉の愛刀として知られますが、秀吉の前は毛利家にありました。(※毛利家説が最有力ですが、諸説あり)
毛利輝元が秀吉にしつこく所望されたため、やむなく献上したと言われます。

現在は御物となっています。

国宝 厚藤四郎

粟田口藤四郎の短刀。
豊臣秀吉より毛利秀元に下賜され、その後将軍家(徳川家綱)、一橋家にわたり現在は東京国立博物館所蔵です。