鹿児島県は、全国でもトップ3に入る源泉数をほこる温泉大国。
そんな鹿児島には、西郷隆盛や小松帯刀、大久保利通、坂本龍馬らが入った温泉があり、今でも入ることが出来るんです。
今回はそんな幕末温泉をご紹介します。
日当山温泉郷 木房温泉 西郷どん湯:西郷隆盛が一番訪れた温泉
西郷隆盛が最も訪れたといわれるのが日当山温泉。
なかでも木房温泉西郷どん湯は、西郷さんが気に入って浸かっていた温泉でのちに西郷どん湯と言われるようになりました。
西郷隆盛は日当山に湯治に訪れた際、地元の名家である龍宝家を間借りしていました。
この西郷どん湯はその目の前にあったので、近くてよく利用したのか、はたまたこのお湯がいいから龍宝家を借りていたのか定かではありませんが、名湯には違いありません。
1825年に発見された湧出温度42度の炭酸水素塩・塩化物泉で、ヌルヌルする美肌の湯です。
地元の方に愛される公衆浴場で、たった250円で入ることができますよ。
なお、龍宝家は現在、蛭児神社前に移築再建・復元されて「西郷どんの宿」となっています。
栗野岳温泉 南洲館:西郷隆盛が湯治した温泉
狩猟が趣味だった西郷隆盛が、明治9年4月に一度だけ訪れて湯治をした温泉です。
付近は何もなく、秘境の一軒宿、という感じです。
お湯は、桜湯、竹の湯、蒸し湯の三つがあり、特に竹の湯は全国的にも珍しい酸性の濃い泥湯で、温泉マニアからも大人気。
私も入ってみて、湯の底に積もったクリーミーな大量の泥と、強烈な酸性のお湯にビックリしました。
長湯は禁物ですが、全身泥パックされたようでスッキリするかも。
宿の裏には噴気がモクモクと上がる八幡地獄があって見学もできます。
公式サイトに情報が無いので、訪問は電話してからがよいでしょう。(0995-74-3511)
栗野岳温泉 南洲館
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- 1カ所300円、2カ所500円、3カ所600円
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塩浸温泉:坂本龍馬が新婚旅行で訪れた温泉
日本初の新婚旅行をした坂本龍馬。
妻おりょうと向かった先は、鹿児島の霧島です。
特に塩浸温泉には18泊もしており、このとき龍馬が入った温泉と同じ源泉のお湯に、現在でも入ることが出来ます。
男湯は龍馬の湯、女湯はお龍の湯と名付けられており、それぞれ2つの湯船があって「塩浸の湯」「鶴の湯」2つの源泉があります。
龍馬が幕末当時浸かったお湯と同じ源泉は、鶴の湯です。
なお、入浴は出来ませんが龍馬が湯治した湯舟も残されていますので、見学してみてくださいね。
栄之尾温泉跡:島津家、小松帯刀、坂本龍馬が入った温泉
栄之尾温泉は、安藤仲兵衛国広が延享元(1744)年4月に発見したのが始まりで、湯治場として栄え、文久元(1861)年には第29代藩主・島津忠義が避暑地を設けたところです。
栄之尾温泉跡は、栄之尾温泉・緑渓湯苑として営業していましたが、ここを持っていた霧島いわさきホテルが平成29年11月6日で休館してしまい、現在では入ることができません。
ここには島津斉彬ら島津家の方はもちろん、薩摩藩家老小松帯刀が湯治に来たり、彼の勧めで坂本龍馬とお龍も入浴したりしました。
大河ドラマ龍馬伝の撮影があったことでも知られます。
龍馬とお龍が歩いた遊歩道や、殿様の湯殿(プールのような広さ!)、屋敷跡の石垣などもたくさん残っていました。
極上のお湯でしたので、いつかまた入れるようになるといいですね。
硫黄谷温泉 霧島ホテル:龍馬が入った温泉
坂本龍馬が霧島に新婚旅行に来た際、それを手引きしてくれた小松帯刀は栄之尾温泉で湯治していました。
ですので彼を訪ねて一緒に栄之尾温泉に入っていますが、龍馬はその隣の温泉地だった硫黄谷温泉にも入っています。
資料によると、高千穂登山の前後にお龍と一緒に入浴したようです。
現在、硫黄谷温泉の源泉を使用しているのは霧島ホテルだけです。
霧島ホテルは大型プールの温泉版のような施設で、庭園大浴場、露天風呂、ひのき風呂、打たせ湯、サウナ、水風呂など種類も豊富です。
家族連れだと、静かな温泉地よりも霧島ホテルのエンターテイメントな温泉の方が楽しめるかもしれませんね。
古里温泉 さくらじまホテル:大久保利通が湯治した温泉
大久保利通が嘉永元(1848)年11月に父・利世らと共に湯治した温泉で、幼少期から家族と共に訪れていたと言われます。
現在、古里温泉は桜島シーサイドホテルとさくらじまホテルの2軒しかありませんが、海岸沿いにある塩化物泉の開放的な温泉に、日帰りで入ることが出来ます。
二月田温泉 殿様湯:島津家の温泉
第27代藩主・島津斉興が、天保2(1831)年に長井温泉行館=温泉別荘をこちらの二月田温泉に移しました。
当時の湯舟や敷石が、現在も保存されており、指宿市指定文化財となっています。
現在この名前を引き継いでいる殿様湯は、この島津家の温泉行館殿様湯跡の隣にあり、公衆浴場となっています。
建物の一部は、長井温泉行館だそうで、すごいですね。
湯舟には島津家家紋が入っていますが、こちらはおそらく当時のものではありませんが、雰囲気がありますね。
源泉は同じものなので、殿様しか入れなかったお湯に庶民が入れるとは、良い時代だな~と思います笑